2024年10月17日、文化庁「学校における文化芸術鑑賞・体験推進事業/ユニバーサル公演事業」を活用して、下関市立宇賀小学校に「みんなのコンサート」をお届けしました。
文化庁「ユニバーサル公演事業」とは
これまで実施されている「学校における文化芸術鑑賞・体験推進事業」の中で、“さらに多くの子どもたちが文化芸術に親しみ、文化芸術を通して表現の多様性を認識し、障がいへの理解を深める鑑賞・体験機会を提供することを目的としています。(学校における文化芸術鑑賞・体験推進事業のサイトより引用)
体験は感性を育むきっかけ
今回の公演は、海と山、自然豊かなまちで152年続く小学校で、全学年22名と保護者や地域の方々15名ほどを対象に90分間のプログラムを体育館でお届けしました。

そわそわした雰囲気のなか、演奏がスタートすると「やっぱり生で聴くと違うなぁ!」という感想が子どもたちから聞こえてきました。
初めて目にする楽器や耳にする音楽に驚く子どもたち。少人数で体験できるユニバーサル公演ならでは、最初の緊張感から次第にアーティストが生み出す音色に包まれ、一気に子どもたちの表情が音楽の世界に引き込まれていきます。

「運命」の「ダダダダーン」というモチーフから何を感じた?という問いかけには、「階段を登ったり降りたり」「崖から落ちる音」「やってしまった…という感じ」などさまざまな素直な感想が子どもたちから出てきました。
「どうやって感じるのも正解だよ!」というギャリーの言葉に、みんなの緊張がさらにやわらぎます。


明るく澄んだ音色をだすフルートに魅了され、音の強弱の違いで華やかさが変化するヴァイオリンに驚き、目をキラキラさせる子どもたち。楽器の特徴や音色を見て・聴いて・感じることで、好奇心が生まれ、知らなかった世界が近づいていきます。

ヴィオラの楽器紹介では、おもしろい演出で子どもたちの目が釘付けに。初めてのことを知ると気持ちが嬉しくなります。

オペラ『ドン・ジョヴァンニ』より「窓辺においで」では、バリトンの歌唱にのせ、さまざまな表情を見せながら愛の歌を歌い上げました。歌の内容を感じ取りつつ、ギャリーの豊かな表現に思いのまま反応する姿が見られました。子どもたちの想像力がかき立てられます。
感じたままに自分の音を表現


コンサートの後半は、声楽のレクチャーから始まりました。息の吸い方や声の出し方をギャリーのレッスンのもとみんなで実践。
笑顔を意識して歌うだけで声色がぱっと明るくなり、会場全体が自然と明るい雰囲気に変わります。

卒業生の地域住民の方を交えて、世代を超えて歌う校歌は美しく、とても感動的でした。
さあ、音楽を奏でてみよう

指揮者体験では全校22名のうち、半数を超える子どもたちが体験。積極的に子どもたちが手を挙げてくれました。



一人ひとり、表現する音色が違い、個性あふれる演奏が続きます。お友だちが演奏する姿をドキドキしながら見つめる姿が印象的です。


子どもたちだけでなく、大人も一緒に、音楽を表現する歓びを感じてもらいました。


アンコールが終わると、子どもたち一人ひとりから感想をいただきました。
「やっぱり生の音は全然違う!迫力もあるし、テレビで聴くよりきれい!」
「クラシックに興味を持ちました!」
子どもたちにとって、自分を表現するための“音楽”を身近に感じる特別な時間となりました。
下関市立宇賀小学校の皆さま、ありがとうございました!
参加したアーティスト

司会 上尾 和音
フルート 香川 恵理
ヴァイオリン 須藤 はるな
ヴィオラ 小倉 勇樹
チェロ ヨコミゾ ヒロユキ
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みんなのことばは、プロの音楽家とともに、参加型クラシックプログラムを通して子どもの心を育てる活動をするNPO法人です。
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