コンサートレポート
東京都立臨海青海特別支援学校でコンサート(東京都江東区)

文化庁「学校における文化芸術鑑賞・体験推進事業/ユニバーサル公演事業」を活用して、東京都江東区の東京都立臨海青海特別支援学校に「みんなのコンサート」をお届けしました。
これまで実施されている「学校における文化芸術鑑賞・体験推進事業」の中で、“さらに多くの子どもたちが文化芸術に親しみ、文化芸術を通して表現の多様性を認識し、障がいへの理解を深める鑑賞・体験機会を提供することを目的としています。(学校における文化芸術鑑賞・体験推進事業のサイトより引用)
10月25日に全校生徒247名を対象にコンサートを楽しんでいただきました。小学部1・3・5年生と小学部2・4・6年生のグループに分け、午前中に2公演、そしてお昼を挟んで中学部を対象に1公演。45分のプログラムを合計3公演お届けしました。
東京都立臨海青海特別支援学校では、生徒一人ひとりを尊重し、自身の障害の状態や特性に応じた教育活動を通して、生きる力を高めるための環境づくりを大切にしています。その中でもコミュニケーション能力の基礎を育てるための、他者との関わりや集団に参加する機会を重要と考えており、昨年度に続き、今回も文化庁公演事業にご応募いただき、開催が実現しました。

昨年度に続き、さらに成長した子どもたち、そして、初めましての子どもたちに会えることを楽しみに1回目のコンサートが始まりました。
演奏が進むにつれ、子どもたちの聴く姿が昨年とは違うことに気づきます。生で聴く音楽の迫力を記憶していた子どもたちは、感覚を思い出すように、そして、音の波に包まれる子どもたちは自分が感じた気持ちを確かめるように、アーティストの演奏に集中して鑑賞してくれました。
アーティストたちも子どもたちの成長の変化を感じとります。


楽器紹介や演奏が終わるたびに、子どもたちから大きな声での「ブラボー!」。
子どもたちは、合言葉を覚えていてくれてました。今回の演奏でも、子どもたちからたくさんのブラボーの声が聞けるようにとアーティストの演奏にも力が入ります。

『魔笛』のアリア「俺は鳥刺し」では、魔法の笛に見立てたフルートの音色が効果的に響きわたります。何かの呪文を唱えているように聞こえる音色。その音色が鳴るたび、会場のいたるところで、花が咲くような子どもたちのニコニコ笑顔がどんどんふえていきました。

声楽家のギャリーから歌い方のレクチャーを受けた子どもたち。
「花束を持ってお花の香りをかいでごらん?」というギャリーの呼びかけに、子どもたちは顔の前に両手で花束を作って、表情豊かに息を吸う子どもたち。
息の吸い方ひとつで声が明るくなったり、声が遠くまで出しやすくなったり、精一杯に一緒に歌うことができました。

小学生対象の1回目公演のリクエストでは、知っている曲が次から次へと登場し、体を揺らしながら鑑賞する姿が見られました。
中学生対象の3回目公演のリクエストでは、耳にしたことがあるメロディーに自然と歌い始める姿がありました。リクエスト演奏後には、たくさんのブラボーをいただきました!
終盤の指揮者体験では、指揮の振りにあわせて演奏が速くなったり、遅くなったりだけでなく、指揮棒の振る大きさで音量の変化をつけていきました。踊るように指揮をしたり、手先を使って指揮棒を振るだけで始まる演奏から徐々に大きくゆったりを変化を持たせる指揮など、音の変化を感じとり、体現する演奏に驚かされます。体験後、会場のなかをハイタッチをして回る子どももいました。


音楽体験を通じて、音の変化に触れたり、感情を自由に表に出すことを経験した子どもたち。この体験で感じた想像力が生かされるのは、最後の「ラデツキー行進曲」。音量とともにアーティストの動きが大きくなったり、小さくなったりする姿にもしっかり着目し、子どもたちが一体となり、表現ゆたかな手拍子を披露してくれました。
アンコール曲では今にも歩き出しそうな子どもたちの姿があり、3公演とも大盛況のうちに幕を下ろしました。
東京都立臨海青海特別支援学校の皆さま、ありがとうございました!
