コンサートレポート
神奈川県立瀬谷支援学校 大和東分教室・大和南分教室でコンサートをお届けしました(神奈川県横浜市)

2026年7月6日と7月13日の2日間、文化庁「学校における文化芸術鑑賞・体験推進事業|芸術家の派遣」を活用して、神奈川県立瀬谷支援学校の大和東分教室と大和南分教室に「みんなのコンサート」をお届けしました。
1日目は大和東分教室で高校1~3年生21名、2日目は大和南分教室で高校1~3年生34名が参加。
クラシック音楽を聴くだけでなく、歌ったり、身体を動かしたり、指揮をしたりしながら、音楽を自分なりに感じ、表現する時間を過ごしました。
1日目のコンサートは、ギャリーの「お腹に力を入れて、大きな声で!」という掛け声に合わせた、元気な挨拶からスタート。
「耳と目と心を使って音楽を聴いて、じっくり観察して、そして心で感じてください」
音楽には、気分が明るくなる曲もあれば、少し悲しく感じる曲もあります。
どんな気持ちになっても大丈夫。そんなお話を聞いてから、いよいよ演奏が始まります。

最初の一音が響くと、さっそく手拍子をする生徒さんや、リズムに合わせて頭を揺らす生徒さんの姿が見られました。
演奏が終わると、
「すごかった」
「きれいだった」
「アーティストの喜怒哀楽の表情がすごかった」
と、それぞれが感じたことを言葉にしてくれました。
同じ音楽を聴いていても、感じることは一人ひとり違います。

ベートーヴェンの『運命』では、特徴的な音の響きから、どんなことを感じたかをみんなで考えました。
「悲劇」
「絶望」
「怒り」
同じ音楽から、それぞれ違った言葉が生まれます。


一方、華やかで軽やかな『ユーモレスク』では、ヴァイオリンの音色が会場の空気を明るく変えていきます。
演奏が終わるたびに「ブラボー!」と拍手を送ることも、みんなで練習しました。
最初は少し恥ずかしそうだった生徒さんも、お友達と顔を見合わせながら笑顔になり、少しずつ大きな拍手と「ブラボー!」の声が広がっていきました。

楽器紹介では、それぞれの楽器の音色や特徴にも興味深く耳を傾けます。
「音を聴く」だけでなく、「どんな音だろう」「どうしてこんな音がするんだろう」と、目と耳を使って音楽を知っていく時間です。

シューベルトの『魔王』では、曲の物語とともに、登場人物だけでなく、馬が走る様子まで音楽で表現されていることを紹介。
普段の生活の中で耳にするような音も、音楽になる。
そんなことを知ることで、いつもの音の聴こえ方も少し変わっていくかもしれません。

目の前で奏でられる音を聴きながら、それぞれの中に物語や情景を思い浮かべる。
音楽から想像する世界が、少しずつ広がっていきました。


発声と歌のワークショップでは、まず姿勢を整え、肩の力を抜いて胸を開くこと、そしてお腹いっぱいに空気を吸って、声と一緒に息を届ける方法を体験。
表情を変えて声を出してみたり、手の動きを加えたりしながら、身体の使い方によって声が変わることも実験。
笑顔で声を出すと、声の響き方も変わることを実際に感じながら、伸びやかな声を響かせていました。

そして、校歌では、歌詞の意味に合わせて手の動きをつけながら、言葉を意識して歌います。
意味を考え、身体で表現し、声に思いをのせる。
最後には全員で立ち、身体いっぱいを使って校歌を合唱しました。

2日目には先生からも、
「始業式や終業式でいつも歌っているのと全然違った。頑張ったね!ブラボー!」
と驚きと大きな拍手が送られました。
普段から歌っている校歌だからこそ、声の出し方や身体の使い方を少し変えることで、新しい歌声が生まれる。
その変化を、先生方も生徒自身も感じる時間となりました。
指揮者体験では、まずみんなで指揮の振り方を練習。

本番では、生徒さんが前に立ち、アーティストと目を合わせながら、それぞれが自分なりのリズムや速さで腕を動かします。
少し緊張しながらも堂々と指揮をする生徒さん。
その姿を見守る仲間からは、演奏が終わるたびに「ブラボー!」の声と大きな拍手が送られました。



前に立つ生徒さんだけでなく、応援する生徒さんも一緒になって音楽をつくる時間。
仲間の表現を認め、拍手や言葉で届けることも、この日の大切な音楽体験となりました。

最後の演奏では、会場全体が手拍子で参加。
音の強弱に合わせて手拍子の大きさを変えたり、メロディーに合わせてリズムを刻んだりしながら、アーティストと一緒に一つの音楽をつくり上げました。

音楽を聴いて、感じて、言葉にする。
身体を動かし、声を出し、自分なりに表現する。
そして、誰かと一緒に音楽をつくる。
2日間、それぞれの場所で生まれたさまざまな反応。



音楽との向き合い方に決まった形はありません。
じっと聴くことも、身体を揺らすことも、声を出すことも、拍手をすることも、その人らしい大切な表現。
それぞれの感じ方や表現が重なり合うことで、この日の音楽が生まれていました。
神奈川県立瀬谷支援学校 大和東分教室の皆さん、大和南分教室の皆さん、ありがとうございました!

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