岩手県大船渡市・陸前高田市で東北復興支援コンサート

保育所や介護施設などへコンサートをお届けしました

公益社団法人Civic Forceさんとの協働事業で、2011年8月24～26日、岩手県で津波の被害が大きかった大船渡市、陸前高田市の保育所や介護施設へコンサートをお届けしました。

大船渡市・陸前高田市では、お盆明けのタイミングで、ほとんどの方が仮設住宅への引越しを完了したそうです。町のがれきは、直後に比べてだいぶ片付いていますが、街はすべてを失ったままの状態です。駅があったことすらわからない状態の大船渡駅、そして7万本の松のうち、たった1本だけ残った陸前高田市の高田松原。その光景を目の当たりにしながら、それでも地元を愛し、復興を信じて毎日を生きるたくさんの方にお会いし、お話をうかがいました。そのような毎日の中で少しでも笑顔の時間や、活力になるひとときをお届けできれば、との想いでコンサートをお届けしてまいりました。

今回のコンサートの映像は、公益社団法人CivicForce（シビックフォース）さんによる、協働パートナーの紹介映像に使用されています。ぜひご覧ください。

<<パートナー紹介事業>> みんなのことば

一緒に練習して、合奏も楽しみました

■8月24日・25日　大船渡市

大船渡市では、保育所、保育園を中心にコンサートをお届けしました。大船渡の越喜来幼稚園では、震災後、津波の被害にあった崎浜保育所と越喜来保育所が合同で越喜来幼稚園の園舎を使っており、甫嶺保育所も近所からコンサートのために来園。4つの園合同のコンサートとなりました。

どの園にも共通していたのは、震災後、まだ一度も楽器を触る機会がなかったということ。コンサートをきっかけに久しぶりにカスタネットや鈴を取り出し、一緒に練習して、合奏を楽しむことができました。

幼稚園、保育園でのコンサートのあとは、演奏者のおにいさん、おねえさんたちは、子どもたちの人気者です。終了後にお茶などをいただいているところに嬉しそうに遊びに来てくれます。また、御礼のお手紙を年長さんが届けにきてくれた園もありました！おねえさん、おにいさん大感激です。

介護施設へも訪問

また、2箇所の介護老人保健施設も訪問。音楽がお好きな方が多いのですが、なかなか楽しむ機会がないとのこと。たくさんの方にお集まりいただき、会場は満員になりました。音楽に合わせて手や足が自然と動いている姿、涙を流してじっと聴かれる姿、大きな声で歌ってくださる姿などが見られました。

終了後には、「いつもは私のピアニカでいつも歌っているから、今日は本当に嬉しかった」「音楽が大好きなので、こんなに楽しい時間をありがとう」などと、演奏者たちに声をかけていただきました。

コンサートお届け先　：　吉浜子ども園、越喜来幼稚園、介護老人保健施設 気仙苑、大船渡保育園、介護老人福祉施設 ひまわり、猪川保育園

保育所2箇所と介護施設を訪問しました

■　8月26日　陸前高田市

町の中心部に高台がなく、大きな被害を受けた陸前高田市。保育所2箇所と介護施設を訪問しました。高田保育所は直接津波の被害を受け、もともとの場所は保育所があったとはわからないほど、なにもない状態です。現在はちょうど空いていた別の幼稚園の旧園舎で保育をおこなっています。

子どもたちはどちらの保育所も本当に元気！大きな歌声と笑い声に、私たちも大きな元気と感動をいただきました。寄付でいただいたというカスタネットや鈴をみんなで練習。合奏もとても上手にできました。

高田保育所ではコンサート終了後に大きなアンコールをいただき、アンコールが終わった後でさらに年長さんから「“ふるさと”を歌いたい」とリクエストがありました。クラシックははじめてとのことでしたが、今までの音楽ボランティアの方が「ふるさと」を歌ってくださることが多く、子どもたちみんなで練習したそうです。生演奏にあわせて、とても上手に3番まで合唱。目を閉じて歌う子どもたちもいました。先生たちが涙を流してその歌を聴いていらっしゃいました。私たちにとって初めての保育所での「ふるさと」は、大人の方と変わらず、みんなひとつにふるさとを愛し、想う気持ちにあふれた時間となりました。

そして、嬉しいお礼のお手紙をいただきましたので紹介させていただきます！

介護施設は、高台にある松原苑さん。その名称のとおり、本来であれば窓から美しい海と高田松原を臨む施設です。こちらもたくさんの方にお集まりいただき、大きな拍手や掛け声をいただいて大変盛り上がりました。「ふるさと」や「上を向いて歩こう」を涙を流しながら歌ってくださる姿も見られました。

終了後は、「本当に本当に楽しかった。家にいても誰も来てくれないもの。ここに来てよかったわぁ」と満面の笑顔で声をかけてくださる方、何度も「体に気をつけてがんばってね」と励ましてくださる方、そしてたくさんの方に「ぜひまた来てください」と声をかけていただきました。

短い時間で訪問できる場所は限られていましたが、今回もたくさんの忘れられない出逢いをいただきました。皆さまと次回お会いできることを楽しみに、お一人お一人のご健康を心からお祈りしております。

今回出逢いをいただいたすべての皆さま、そしていつもサポートいただいている全ての皆さまに、心から感謝申し上げるとともに、引き続き応援・ご協力をよろしくお願い申し上げます。