「こどもたちこそが、みんことアーティストの先生だ」/アートマネージャー雑記〜ゆきろぐ vol.1

こんにちは.

みんことアートマネージャー・ヨコミゾヒロユキです。

いつもは広報部長、という肩書きでブログを執筆させていただいていますが

今日は隔週くらいで「アートマネージャー」としての持論や雑記を展開するコーナー

名付けて「ゆきろぐ」。

ということで。

今週も色々ありました。

広報部長も兼任になってからほぼ毎日、公式インスタの更新をするのに

撮りためた写真の細かいレタッチ作業なんかに追われています。

【みんなのことば公式インスタグラム】

https://www.instagram.com/minkoto_official

(フォローよろしくね!!笑)


今まで、広報的な意味合いで「写真」という部分にフォーカスすることがあまりなかったみんこと。

ここ数ヶ月、僕が一眼レフ片手に現場でアーティストをレンズで追い回す日々の中で

少なからず変化が起きているような実感を感じています。

一つには、アーティストの自意識の変化。

とあるアーティストが本番後に言った

「ヨコミゾさんが毎回コンサートを撮影するようになって、今まで以上に”見た目”を意識するようになりました」

という言葉がとても印象的でした。

ここでの”見た目”っていうのは、当然パフォーマンス的な意味。

演奏中の表情だったり、音を出していない時の動き(僕は”オフザ・サウンド”と呼んでいます)

登場や退場時の振る舞い方。

手の振り方一つでも印象が大きく変わりますよね。

でもこう言った、みんことアーティストにとっては当たり前のパフォーマンスが

クラシック業界全体で言えば、まだまだタブー視されている苦しい現状があります。


僕たちみんことアーティストは

10年間、日々子どもたちとコンサートで対峙してきました。

対峙、という言い方をあえてしたのは

僕たちが本当の意味で子どもたちと同じ目線に立って

常に目の前にいる子どもたちをどう喜ばせようか

その一点にのみ集中して、パフォーマンスやプログラムを発展させてきたから。

僕はアートマネージャーという立場から、アーティスト研修でいつもこう言っています。

「こどもたちこそが、みんことアーティストの先生だ」

この言葉に嘘偽りはありません。

プロのアーティストとして僕たちを育ててくれたのは間違いなく子どもたち。

先入観や予備知識がないから、実はどんな大人のお客様よりも厳しいのが子どもたち。

面白くないもの、心に響かないものに対しての批判は容赦ありません。笑

だから、コンサートはいつも命がけ。

アーティストとしての輝かしい経歴やプライドは、彼らの前では何の役にもたちません。

そして何より、感性の扉全開にして僕たちを受け入れてくれる

そんな彼らを心からリスペクトしています。

(記事とは全然関係ないんだけど、先日フルートかなこおねえさんが僕のXT2で撮ってくれました、、)


子どもたちにとって

「モーツァルトだから」素晴らしいんじゃない。

「バッハだから」感動するわけじゃない。

楽しい・面白い・心地いい、が価値基準。

笑った・泣いた・興奮した、が記憶に残る。

だから、彼らにとっては「パプリカ」と「アイネクライネナハトムジーク」に

違いはないんだよね。

音楽やアートの現場は

SNSやサブスクリプションなどの成長で、ますます記号化・商品化が進み

本来人間が拠り所にし、自身の変化や感性を投影する受け皿として

芸術が機能しなくなってきていると痛感しています。

でも、だからこそアーティスト一人一人が原点に立ち戻って考えてほしい。

「表現の本質とは何か」

自分のパフォーマンスを、全世界の人に広めたい。

有名になりたい。

フォロワーを増やしたい。

ビッグになりたい。

そんなことばかりを、アーティストが追い求めていてはだめ。

まずは自分の目の前にいるその人が喜んだり

安らいだり、心地よかったり

時には共感して涙したり

笑ったり、踊ったり。

ただ楽器を使って音を出して

目の前の誰かの心に働きかける。

音楽の本質って、本当はそれだけだよね。

美味しい料理を食べて、美味しい!!って感じて。

嬉しいと感じて。ただそれだけ。


だから僕たちみんことアーティストが

「本物の体験」を届けるプロであるために。

僕たちは本質を求める、旅の途中。

まだまだ学ばなければいけないことはたくさんある。

でも大丈夫。僕たちには

「子どもたち」という最高の師匠がついているのだから。

もっと遠くまで。歩みを進めるはずだ。

(文/ヨコミゾヒロユキ )

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