残暑を吹き飛ばせ!音楽の『避暑地』 ブラームス「クラリネット五重奏曲」

ブラームス

8月26日(月)のHAPON Morning Lounge、BGMテーマは「残暑を吹き飛ばせ!音楽の”避暑地” ブラームス『クラリネット五重奏曲』」です。

HAPON Morning Loungeは、毎週月曜日の朝、シェアオフィスのHAPON新宿とNPOみんなのことばがお届けしています。
新宿近郊の方、乗り換えで使っているよ!という方、月曜日はちょっと早起きをして、心にゆとりのある1週間のスタートをHAPON新宿でお過ごしください。

▼26日(月)のBGMの解説は、こちらをご覧ください。

ブラームス『クラリネット五重奏曲』

連日の酷暑もいったいいつまで続くのであろうか…
私同様、秋への曲がり角を前に暑さと疲れでダウン寸前の方もいるであろう。

今週はそんなあなたにぴったりな、”避暑地”で書かれた傑作をお届けしよう。 残暑を吹き飛ばす…といったものの、今週ご紹介する作曲家はドイツ音楽の権化・ブラームス。

クラシック音楽の作曲家のなかでも1、2を争うネチネチ・コッテリ派のブラームスが”避暑地”?! いやいや、いくらクラシック界きっての情熱派でも、毎日激辛鍋焼きうどんを食べていたわけではない。かくいうブラームス、夏になると必ず各地の避暑地に滞在するという”避暑地大好き”作曲家であった。 特に彼がお気に入りだったのがオーストリア北部に位置する「バート・イシュル」という避暑地である。 このバート・イシュルは山間をトラウン川が流れるのどかな街で、散歩・思索好きのブラームスにとっては格好の土地であった。 筆が遅いことでも知られるブラームスだが、このバート・イシュルがよほどお気に召したのだろうか 彼にしては珍しく一気呵成に興に乗り、バート・イシュルに滞在した1891年のひと夏の間にこの『クラリネット五重奏曲』を書き上げてしまう。

この作品はクラリネット+弦楽四重奏のあわせて5つの楽器で構成されているのだが 創作の裏にはさらに、初演にも参加したヒャルト・ミュールフェルトという天才クラリネット奏者との出会いがあった。 このミュールフェルト、驚くべきことに元はマイニンゲン宮廷楽団の「ヴァイオリニスト」であったという! その後、クラリネットに転向し成功を収め指揮者としても活躍するというまさにマルチな音楽家であった。 この天才との出会い、そしてバート・イシュルの美しい自然とリラックスした時間が 大作曲家ブラームスのインスピレーションを刺激し、この素晴らしく円熟の極みに達した作品が生まれたのであろう。

夏の終わりに向けもうひとふんばり。 バート・イシュルの美しい自然界のビタミンに想いを馳せながら 大作曲家の偉大なるインスピレーションにあやかり、今日もいい仕事をしようではないか!

NPOみんなのことば アートマネージャー
ヨコミゾヒロユキ

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