文化芸術の体験を届けるコンサート&ワークショップ
コロナ禍で、文化や芸術に触れる機会が失われている子どもたち。
そんな小・中・高等学校・特別支援学校の生徒たちに文化芸術の体験を届けるため、文化庁が「子供のための文化芸術鑑賞・体験再興事業」を行なっています。
そして、この事業を活用して、東京都立小金井特別支援学校がみんなのことばのコンサート&ワークショップを企画され、先日、その第1回目が開催されました。
当日のプログラムは、前半の「みんなのコンサート」と後半の生徒さんたちが参加するワークショップの2部構成。
感染症対策として、参加していただいた中学生を学年別に分けて公演を3回行い、また、アーティストと生徒さんたちの距離を2m以上保ち、観客席の間隔を空けるなどして、コンサートを開催いたしました。
音楽で“本物の体験”を満喫
まずは「みんなのコンサート」からスタート。
体育館いっぱいに響き渡る大きな拍手に迎えられ、アーティストたちが入場します。
初めは少し緊張気味だった生徒さんたち。
でも、学校生活ではなかなか聴く機会のない、プロのアーティストによる生演奏に、「すごーい!」という驚きとともに、生徒みなさんの表情に輝きが現れます。
そして、司会のなつきおねえさんの優しい語り口とアーティストたちのにこやかな笑顔で生徒さんたちの心はほぐれはじめ、「この楽器の名前は?」の質問には、たくさんの人が手を挙げて答えてくれました。
ヴァイオリンの音色が楽しい「チャルダッシュ」の演奏では、はるなおねえさんの素早い弓さばき、そして、豊かな音量の変化に、生徒たちの顔に笑みがあふれます。
思わず、身体を自由に動かす生徒さんもいました。
最後は全員で、手拍子で演奏に参加。
手のたたき方に強弱をつけるだけでなく、全身で音楽を感じながら、元気に手拍子を楽しみました。
はじめての指揮体験で達成感
後半は、なつきおねえさんによるワークショップ。
まずは、先生やお友だちと一緒にウォーミングアップからはじめます!
アーティストの演奏に合わせて細かいビートには手首を、大きなフレーズには全身で大きな円を描く生徒さんたち。
リラックスした雰囲気のなか、みんな自分なりの楽しみ方をしています。
身体が慣れてきたところで「カルメン」に合わせて、指揮者体験にトライ!
生徒さん一人ひとりが舞台の前に立ち、腕を大きく振ったり、小さく動かしてみたり。
自分の手の動きで、アーティストたちが奏でる音色が変わることに、驚きと発見があったようです。
そして、指揮者体験を終えたあとの、生徒みなさんの達成感に満ちた明るい笑顔が印象的でした。
感じたままを自由に表現
最後のワークショプは、音楽の表情を感じ取って身体を動かし、自分のオリジナルのポーズを考える「トレパック」。
生徒さんそれぞれの個性が表れるワークショップです。
アーティストが演奏をはじめると、音の強弱や鋭さ、そしてリズムなどに合わせ、生徒さんみんなが身体を大きく広げたり、目線を上に向けたり、感じたままを自由に表現しはじめます。
弦楽器の強いリズムを感じてジャンプする生徒さん、一瞬止まるような音を感じ取り、動きをピタッとストップしてみる生徒さんなど、みなさん、いろいろなポーズを見せてくれました。
音楽をじっくりと聴き、音色のさまざまな表情を感じ、自由な表現につなげる。
生徒たちの無限に広がる表現力に圧倒された、第1回目みんなのことばのコンサート&ワークショップ。
東京都立小金井特別支援学校の皆さま、ありがとうございました。
今回訪問したアーティスト
フルート:かなこおねえさん(谷田 圭菜好)
ヴァイオリン:はるなおねえさん(須藤 はるな)
ヴィオラ:ゆうきおにいさん(小倉 勇樹)
チェロ:ひろゆきおにいさん(ヨコミゾヒロユキ)
司会:なつきおねえさん(坂本 夏樹)
このコンサートを担当したのは…
髙山 和己(たかやま かずみ)
2022年にみんこと事務局に加わりました。前職は高校の音楽の先生。
子どもたちが自由に音楽を楽しみ、思うがままの反応ができる「みんなのコンサート」を、たくさんの子どもたちに体験してほしい!
打楽器や作編曲を専門に、自身も音楽活動を行っています。
みんなのことばは、プロの音楽家とともに、参加型クラシックプログラムを通して子どもの心を育てる活動をするNPO法人です。
お問い合わせは
NPO法人みんなのことば
電話:03-3770-4266(平日10:00~18:00)