宮城県南三陸町・気仙沼エリアで東北復興支援コンサート

生演奏のコンサートで精神的活力取り戻せる時間を

公益社団法人Civic Forceさんとの協働事業で、2011年6月22~24日、宮城県で津波の被害が大きかった南三陸町、気仙沼、気仙沼大島の避難所や保育所、学校へコンサートをお届けしました。

震災から3ヶ月以上が経ちましたが、未だに被災地はもとの生活に戻るには時間がかかる現状です。少しずつ仮設住宅の建設が進められているものの、まだ避難所生活を送る人は7万人以上。大切な人を失った悲しみも、子どもたちの元気も、まだ思いっきり発散しきれていない日々が続いています。

毎日のストレスと、未来への不安の中、少しでも元気・笑顔・希望を与えられるのが音楽の力です。NPOみんなのことばでは、さまざまな方のサポートをいただき、コンサートを避難所や学校等へ直接お届けしています。

生演奏のコンサートで“聴く”“歌う”“演奏に参加する”ことを通して、リラックスできる時間の提供とともに、感情を発散したり、自己表現をしたり、未来への希望を持てるような、精神的活力を取り戻せる時間を少しでも提供できればと考えています。

まず第1弾は、宮城県の南三陸町、気仙沼、気仙沼大島へ行ってまいりました。

今回の演奏にあたって、ドイツの子どもたちからは新品のカスタネットの購入資金の寄付を、他にも日本に住む方々からマラカスやタンバリンなど子どもたち向けの楽器の寄付をいただきました。

ご参考記事 : ドイツの子どもたちから被災地の子どもたちへ!

名足保育園、志津川保育所、伊里前保育所、伊里前小学校、歌津中学校(避難所)

■6月22日 南三陸町

南三陸町では、6月13日にやっと3カ所の保育所が再開しました。5月末まで電気が通らず、再開のタイミングもぎりぎりまで検討されたようです。保育が始まり「いつも通り」の生活を再開し、先生たちも子どもたちも、とても元気に過ごしていました!どちらの保育園も、本当に元気いっぱい。自宅からだけではなく、仮設住宅や避難所から通う子どもたちもまだ多くいましたが、音楽に合わせて歌ったり、体を動かしたり、キラキラした笑顔を見せてくれました。先生たちも、子どもたち以上に楽しんでくださり、「リラックスできた」「癒された」「楽しかった!」と感想をいただきました。

寄付をいただいた楽器は、3カ所の保育所へそれぞれ寄付させていただきました。直接津波の被害を受けた保育所もあり、とても喜んでいただきました!

保育園での集合写真
カスタネットを手に、コンサート終了後に集合写真
コンサートのようす
小学校でのコンサートのようす
コンサートのようす
避難所でのコンサートのようす

気仙沼中学校(避難所)、ホテル観洋(二次避難所)、紫会館(避難所)

■6月23日 気仙沼

気仙沼では、3カ所の避難所へうかがいました。どちらの避難所もまだ多くの方がお住まいで、ひとときのコンサートを楽しんでいただきました。昔から音楽活動が盛んな気仙沼。クラシックのコンサートを心待ちにくださっていた方も少なくなかったようです。一緒に声を出して、「ふるさと」や「上を向いて歩こう」などを歌いました。涙を流される方、笑顔で歌っていらっしゃる方など、さまざまに音楽を感じながらご参加いただきました。

コンサートの最後は2回もアンコールをいただき、「皆さんのハーモニーのように、みんなで力を合わせて復興に向けてがんばります」と力強く、心のこもったお言葉をいただき、演奏者一同、心が震える感動をいただきました。

コンサートのようす
避難所でのコンサートのようす

崎浜保育所、くぐなり保育所、大島小学校、大島中学校、休暇村 気仙沼大島(避難所)

■6月24日 気仙沼大島

気仙沼大島は、気仙沼からフェリーで20分ほどのところにあります。太平洋側は津波で、内陸側は気仙沼を襲った津波の引き波で、両端とも大きな被害を受けました。保育所2カ所では親子コンサートで、お母さまたちも一緒に、触れ合いながらコンサートをお楽しみいただきました。大島中学校、大島小学校も、音楽が大好きな生徒・児童が多く、元気いっぱいにコンサートを楽しんでいただきました。夜は、避難所でもある休暇村のロビーにて。昼間にコンサートを楽しんだ小学生たちも遊びに来てくれて、大いに盛り上がりました。クラシックのほか、歌もとても大きな声で歌っていただき、2度のアンコールをいただきました。「声を出して歌を歌う機会がないから、本当にありがたい。」「とても楽しかった。すべて津波で失ってしまったけど、こうやって楽しいこともあるんですね。」と温かい感想をいただきました。

コンサートのようす
保育所でのコンサートのようす
楽器を見るこどもたち
楽器や音楽に間近で触れて楽しむ子どもたち
コンサートのようす
休暇村ロビーでのコンサートのようす
テレビでのコンサートのようす
大島でのコンサートのようすが、「Nスタみやぎ」(東北放送)で取り上げられました
演奏家の皆さん
ご協力いただいている演奏家の皆さん

左からヴァイオリン:張 大赫 フルート:菊池 洋子 チェロ:横溝 宏幸 ヴィオラ:小泉 悠 ※敬称略

 

今回、出逢った一人一人全ての皆さまの笑顔やまなざしにたくさん感動をいただきました。一日も早い復興と、皆さまのご健康を心からお祈りいたします。津波の被害は甚大ですが、太陽があたってキラキラと輝く海の美しさがとても印象的でした。この土地を愛する地元の方々の復興を応援し続け、また再び演奏にうかがえるよう、私たちも積極的に活動を続けてまいります。

サポートいただいた全ての皆さまには、心から感謝申し上げるとともに、引き続き応援・ご協力をよろしくお願い申し上げます。

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