文化庁「文化芸術による子供育成推進事業/芸術家の派遣事業」を活用して、7月5日・12日・19日の3日間、東京都立水元小合学園へ「みんなのコンサート」をお届けしました。
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1日3公演を3日間、また、肢体不自由教育部門を7回と就業技術科を2回に分け、全9公演のコンサートを開催しました。
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豊かな響きに包まれるコンサート
会場となった体育館は「東京の木多摩産材」がふんだんに使用され、カルテットの演奏を柔らかく、豊かに響かせてくれます。
最初の「アイネ・クライネ・ナハトムジーク」の音が体育館に満ちると、その豊かなサウンドに会場は一瞬にして音楽の世界へと引き込まれます。
1曲目から割れんばかりの拍手が送られ、アーティストもそれに応えようと演奏にも熱が入ります。
ヴィヴァルディ「春」に乗せてお送りする楽器紹介では、それぞれの楽器の音と特徴、カルテットの中での役割の説明に耳を傾けます。
音楽の力を五感で感じる
難聴に苦しみながらも数々の名曲をこの世に残したベートーヴェン。
「運命」の楽譜に作曲家が込めた思い。音から、そしてアーティストの表情と動きから、そのメッセージを感じ「絶望」「心臓の鼓動」と様々に表現してくれました。
「ユーモレスク」では弦楽器とフルートが織りなす旋律の美しさに触れ、ソリストには大きな拍手が送られました。
はじめて目の前で声楽を鑑賞した生徒さんも多かった「魔王」。
体験したことのない声楽家のパフォーマンスに、思わず笑い出す生徒さんも。しかしそれは冒頭だけ。次第に物語の世界に入り込み、真剣な眼差しがアーティストに注がれます。
声楽家の歌声を鑑賞した後は生徒さんが歌う番。口の開け方や腹式呼吸のレクチャーを受け、アーティストとともに、校歌を素敵に歌い上げました!
心を通わせる、本物の体験
指揮者体験では、誰よりも早く手を挙げて、やる気みなぎる指揮を披露した生徒さんや、緊張しながらもアイコンタクトを取り、自分の表現をしっかりとアーティストに伝え指揮をする生徒さんの姿に、会場からは歓声が上がります。
普段はあまり前に出ることのない生徒さんも、音楽を通じて心を開き、自ら進んで指揮を披露した姿に、先生方が驚きと感動の言葉を口にされていたのが印象的でした。
会場の盛り上がりは最高潮のまま、「ラデツキー行進曲」を生徒さん、先生方の手拍子と共に演奏し、アンコールまで駆け抜けました!
最後の1人が退場するまで、大きな拍手を送りアーティストに手を振ってくれた生徒の皆さん。音楽が心を繋ぐ、充実の45分間となりました。
東京都立水元小合学園の皆さん、ありがとうございました。
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参加したアーティスト
7月5日(水)
フルート | 香川 恵理 |
ヴァイオリン | 杉山 亮佑 |
ヴィオラ | 須藤 はるな |
チェロ | ヨコミゾヒロユキ |
司会 | ギャリー(上尾 和音) |
7月19日(水)
フルート | 香川 恵理 |
ヴァイオリン | 須藤 はるな |
ヴィオラ | 高橋 楓 |
チェロ | ヨコミゾヒロユキ |
司会 | ギャリー(上尾 和音) |
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