子どもの体験から地域交流までコンサートで|【第2回】先生インタビュー 白百合保育園<前編>(東京都江戸川区)

長年にわたり、みんなのことばをご利用いただいている幼稚園や保育園、学校の先生方にお話をうかがう「先生インタビューシリーズ」。第2回は、白百合保育園(東京都江戸川区)の園長・渡部裕人先生をお訪ねしました。

白百合保育園では年間6回の参加型クラシック「みんなのコンサート」の開催のほか、正課プログラムとして、0歳からの全園児を対象に「音楽体験教室 おとあそび」を通年で導入されています。

「みんこと」コンサートやプログラムの導入から、園内での変化、今後へのご期待などについて、前後編でお届けします。

0歳から年長までが一緒に楽しんで参加できる「体験」

みんこととの出会いについてお話を聞かせていただけますでしょうか。

園長先生

最初はコンサートのご案内をいただいて、おためしのような形で来ていただけるという気軽さにひかれてお願いしました。赤ちゃんから参加できるというところ、会場に足を運ぶ必要がないというところがすごく魅力的だと思いました。本格的なクラシックという内容にも魅力を感じました。いよいよ年度末となってきたときに駆け込みで申し込みをしたのが始まりです。それから定期的な開催に発展して、今に至るというところです。

それまでも歌のおにいさんとおねえさんを呼んだことはあるのですが、いわゆる子ども向けの内容でした。クラシックのジャンルでは、園にお呼びしたところはなかったです。たまにはクラシックもいいかなと、最初は少し軽い気持ちでお願いしました。その当時はここまでしっかり継続してということは考えず、とりあえず1回という感じでした。その1回目がとても良かったのです。

最初はおためしということでしたが、クラシックのコンサートにどのようなご期待がありましたか?

園長先生

今から4~5年前、コロナ以前のことですが、0歳から年長の5歳児まで全学年一緒にリトミックをしていました。学年で分けることなく、みんなでホールに集まって、リズム体操をしたり、歌を歌ったり、大きい子が小さい子をリードしてあげて、というふうに一緒に楽しんでいました。私の母が園の主任で長年リトミック指導をしていて、主任の立場を退いてからもリトミックの講師として残っていました。ちょうど高齢になりまして、継続できなくなってしまったタイミングでご案内をいただいて、このようなコンサートなら赤ちゃんから年長まで一緒に楽しめるという期待がありました

子どもたちだけでなく職員にも良い経験

最初のコンサートで、子どもたちの反応についてエピソードがありましたらお聞かせいただけますか。

園長先生

曲が始まるところで、すごく子どもたちが沸いたというのと、泣いたというのと、その両方が同時に起こって、いったいどうなるのかなと思いました(笑)でも最後はみんなで手を叩いたり、足踏みをしたり、身体を使ってといった具合にリードしていただけたので、本当にあっという間に終わったという感覚でした。楽しい時を過ごせました。

たしか司会がまりかおねえさんで、うちの職員が子どもを指導するなかでいろいろなヒントがあるなと思いました。これは子どもたちだけじゃなくて職員も学びや経験になると思って、続けていきたいなと感じました。

園長先生

来ていただいた演奏者の方に失礼があってはいけないというのが最初はありました。なんでもOKだよと言ってもらえますが、とんでもない状況がコンサート中に起きてしまったらどうしようかと、最初は職員たちも構えていた部分があったと思います。ですが、回を重ねていくうちに、職員の心配がなくなり、リラックスしてコンサートに参加できていると思います。

コンサートを地域交流の柱のひとつに

園長先生

保育園の活動を知っていただく意味でも、地域との繋がりが必要だと思っていた時に、ちょうどみんことさんからご案内をいただきました。なのでコンサートを通して、子育てをされている近隣の親子とか、隣の特別養護老人ホームの方にも加わっていただきたいと考えていたことが実現しました

敬老の日の集いには、園児のおじいちゃん、おばあちゃんを中心に参加していただきました。おじいちゃん、おばあちゃんは素直にお孫さんの反応を見て喜ぶんです。ご自身のお孫さんを通してコンサートを観ているような気がします。昨年度はコロナのためにできなかったのですが、今年度は久しぶりに実現できたら嬉しいです。

園長先生

園長会でもお話しして、ここでのコンサートを見学いただいた他園の園長先生が、自園でも呼びたいという話もありましたよ。

区内の保育園さんからたくさんのお話をいただいています。ありがとうございます!

「みんなのコンサート」と正課プログラム「おとあそび」の好循環

正課プログラムを導入いただいていますが、そちらのきっかけを教えてください。

園長先生

2021年はコロナのまっただ中でしたが、新園舎になったのを機に、コンサートの回数を年4回に増やしました。6月に新園舎完成記念「みんなのコンサート」、9月には祖父母様を招待する敬老の集い、12月にはクリスマスのコンサート、3月には進級お祝いコンサートをおこないました。その後、2022年度に6回に増やして、今年度も6回としています。

おとあそびに関しては、昨年度(2022年度)から導入しています。2か月に1回くらいの頻度でコンサートをして、その間に「おとあそび」をやって音楽に触れているという繋がりを期待してのことです。 せっかくコンサートが定期的にあるのであれば、その間にも音楽に触れる要素を組み込みたかったのです。ただ、自分たちだけでやるのはちょっと難しかったので、みんことさんにお願いしようというのが「おとあそび」導入のきっかけです。春は4・5歳児、秋から2・3歳児と0・1歳児を加えました。

園長先生

「おとあそび」でご指導いただいて、その流れで「コンサート」が入ってくるという、とても良い繋がりができています。コンサートの間に「おとあそび」が入る、この循環ができて本当に良かったです


白百合保育園で年6回開催されている「みんなのコンサート」の詳細はこちら

0歳~全園児を対象とした正課プログラム「おとあそび」の詳細はこちら


園長先生、貴重なお話をありがとうございました。

次回の後編では、コロナ期間中のコンサートについて、またコンサートやプログラムの日常の保育への影響、今後への思いをお話いただいています。どうぞお楽しみに!

白百合保育園のホームページ

白百合保育園の過去のコンサート・プログラム実施レポート

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