五感を使って思いっきり楽しんだコンサート
1月26日は中野区立中野本郷小学校にうかがいました。
みんことが中野本郷小学校に「みんなのコンサート」をお届けするのは、今回がはじめて。
中野区が2022年度よりおこなっている、コロナ禍で自粛・中止してきた区立幼稚園、小・中学校における体験活動の充実を図る支援を活用して、今回お招きいただきました。
低学年と高学年の2回に分けておこなった今回のコンサート。
最初の公演に集まったのは低学年の児童のみなさんです。
「今日は静かに音楽を聞かなくていいんです。思いっきり楽しんでくださいね」という音楽担当の菊井先生のお話を聞きながら、子どもたちはちょっとソワソワしながらコンサートがはじまるのを待っています。
でも司会のギャリーが「中野本郷小学校のみなさん、こんにちはー」と登場すると、元気な「こんにちはー!」のお返事。
会場の雰囲気が一気に華やかになります。
そして最初の曲、モーツァルトの「アイネ・クライネ・ナハトムジーク」の演奏が始まると、その軽やかな音色に魅了され、会場が静まり返ります。
ところが次の「ハンガリー舞曲」の演奏では、アーティストたちのユーモラスなパフォーマンスに子どもたちは笑いが止まりません。
演目によって旋律が表情を変えることに、しっかりと反応してくれます。
演奏の合間にはギャリーが楽器や作曲家そしてその歴史について紹介をしていきます。
「フルートは何からできてる?」
「アルミ?」
「ドヴォルザークはどこの国の人かな?彼はね、チェコの国民楽派を代表する作曲家なんだよ」
子どもたちはギャリーの話に笑いながらも真剣に耳をかたむけます。
そしてコンサート終盤に演奏された校歌では会場のみんなで大合唱となり、その後の曲「ラデツキー行進曲」には子どもたちが手を楽器にして演奏に参加。
アーティストとの共演を、みんなで楽しんでくれました。
子どもたちの心を刺激する生の演奏
2回目の公演には高学年の児童さんたちが集まりました。
演奏が始まるやいなや、会場がその軽やかな四重奏の音色に引き込まれていきます。
そして一度は聞いたことのあるベートーヴェンの「運命」では背筋をピンと伸ばしたり、音楽に合わせて手を上下させたりしながら、迫力あるアーティストのパフォーマンスに子どもたちは目が離せない様子。
音楽の授業でもクラシック音楽を聴く機会があるということですが、音の振動を肌で感じることのできるライブ演奏に、とても魅了されているようでした。
最後の演奏曲「ラデツキー行進曲」では、ギャリーの「みんなで一緒に演奏をしましょう!楽器は持ってるかな?」の問いかけに、子どもたちが元気よく「手!手!」と答えてくれます。
そしてみんなで手拍子に強弱をつけながら、演奏に参加してくれました。
会場の熱気が最高潮になったところで、「アンコール!アンコール!」の声が鳴り止みません。
その声援に応えて声楽家でもあるギャリーが子どもたちにポピュラーな曲を熱唱、そしてアーティストたちは観客席のまわりを歩いて演奏しながら、コンサートは幕を閉じました。
コンサート後、昼の校内放送ではクラシック音楽やオペラのナンバーが放送されていました。
「いつもはクラシック曲は流れないんですよ。コンサートに影響を受けたんですね」と、音楽担当の菊井先生。
子どもたちの心に音楽の魅力と体験の楽しさが伝わったことをひしひしと感じたコンサートとなりました。
中野区立中野本郷小学校の先生方、そして児童のみなさん、ありがとうございました。
今回訪問したアーティスト
フルート:ゆかおねえさん(泉野 有香)
ヴァイオリン:はるなおねえさん(須藤 はるな)
ヴィオラ:ゆうきおにいさん(小倉 勇樹)
チェロ:ひろゆきおにいさん(ヨコミゾヒロユキ)
司会:ギャリー (上尾 和音)
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