1月17日は、宮城県大崎市立古川西中学校にコンサート&ワークショップをお届けしました。
昨年12月に開催された文化庁の「ユニバーサル公演事業」としてのコンサートの2回目。
これまで実施されている文化庁の「文化芸術による子供育成推進事業」の中で、“更に多くの子どもたちが文化芸術に親しみ、文化芸術を通して表現の多様性を認識し、障がいへの理解を深める鑑賞・体験機会を提供すること”(文化芸術による子供育成推進事業のサイトより引用)を目的として開催されました。
前回のコンサートは1年生に参加していただきましたが、「貴重な体験をすべての生徒に!」という校長先生の想いから、今回は全校生徒さんが集まりました。
そしてこのコンサートとワークショップ、いつもの「みんなのコンサート」とは少し違った演目です。
なんと、生徒さんたちがクラシックを中心に聞いてみたい曲をピックアップ!
その選曲をもとに、みんことアーティストたちが生徒さんたちの期待に応えるべく、演奏に臨みます。
「ギャリー、カモン!」
先生と生徒さんたちの呼びかけで司会のギャリーが登場し、コンサートがはじまります。
でも生徒さんたちはまだちょっと緊張気味。
お友だち同士で顔を見合わせたりしながら、アーティストたちの登場を見守っています。
ギャリーがクラシックの歴史を説明しはじめ、「モーツァルトは何時代の作曲家だと思う?バロック?古典派?ロマン派?」「じゃあ、バッハは?」とさまざまな質問を生徒さんたちに問いかけると、それぞれ選択した答えを拍手で伝えてくれる生徒さんたち。
だんだん会場の雰囲気があたたまりはじめます。
そしてクラシックの歴史を少し勉強したあとに演奏されたのは、バッハの「主よ、人の望みの喜びよ」。
会場全体がバロック時代の響きに耳を傾け、中にはメモを取りながら演奏を聞いている生徒さんの姿もありました。
ロマン派のシューベルトが作曲した「魔王」も披露されました。
歌曲であるこの曲は、声楽家でもあるギャリーがその張りのある声で歌い上げます。
最初は少し驚いた様子の生徒さんたちでしたが、その視線はまっすぐギャリーに向けられ、声量ある歌声に聞き入っている様子でした。
歌って、吹いて、指揮して、クラシック音楽を体験!
そして今度は生徒さんたちが歌う番です。
まずは、全員で歌の姿勢や息の吐き方などを練習します。
全校生徒のみなさんで起立をして、息をお腹から吸って「スーッ」、吐いて「ハー」。
声を合わせ、きれいに校歌を歌ってくれました。
歌の練習が終わると次はリコーダーを使って、みんことアーティストとの共演がはじまります。
チェロのヨコミゾヒロユキから演奏の心得を聞いたあと、1回目は恥ずかしそうに、でも最後は大きな音で生徒さんみんなでリコーダーの音色を会場いっぱいに響き渡らせてくれました。
最後は指揮者体験です。
ギャリーのお手本に続いて、2人の生徒さんが指揮者体験に挑戦!
しっかりとそして堂々と、みんことアーティストをリードしてくれました。
指揮者体験のあと、「今日の演奏会をとっても楽しみにしていました。そしてとても楽しかったです。貴重な体験をありがとうございました」と代表の生徒さんからアーティストたちにメッセージをいただいて、コンサート&ワークショップは終了しました。
今回のコンサート&ワークショップでは、人々の喜びや苦しみ、そして悲しみの気持ちが込められたクラシック音楽から今の時代に通じるヒントを、生徒のみなさんに見出してほしい!という願いを込めながらアーティストたちが演奏をしました。
そしてこれから受験を迎える生徒さんに向けて「がんばれ!」のエールともなった古川西中学校でのコンサート&ワークショップ。
古川西中学校の先生方、そして生徒のみなさん、ありがとうございました。