都立城東特別支援学校で中学生向けコンサート&ワークショップ(東京都江東区)

音楽の意味と喜びを感じるコンサート

2月2日は都立城東特別支援学校にコンサート&ワークショップをお届けしました。

今回のコンサート&ワークショップは文化庁が今年度から新たにスタートした令和4年度文化芸術による子供育成推進事業「ユニバーサル公演事業」として開催されたもの。

これまで実施されている「文化芸術による子供育成推進事業」の中で、“更に多くの子どもたちが文化芸術に親しみ、文化芸術を通して表現の多様性を認識し、障がいへの理解を深める鑑賞・体験機会を提供すること”(文化芸術による子供育成推進事業のサイトより引用)を目的としておこなわれました。

「今日は待ちに待った、コンサートです。いつも聴く音楽とは違います。演奏者がみんなの目の前です。みんなで楽しみましょう」という佐藤校長先生のお言葉でコンサートがはじまります。

そのあと「みなさん、こんにちは」と司会のなつきさんが柔らかい声で呼びかけると、大きな声で「こんにちはー」と答えてくれる子どもたち。

みんなのワクワクしている気持ちが伝わってきます。

司会が楽器についてお話しを続けます。

「どんな楽器を知ってるかな?」

「太鼓」

「ピアノ」

さまざまな楽器の名前が子どもたちの間で飛び交い、中には弾くまねをしながら「ヴァイオリン!」と答えてくれたお子さんもいました。

弦楽器についての紹介では、弓の白い部分が馬のしっぽからできていることを伝えると、会場からは「わ〜」という驚きの声が。

子どもたちがぶらぶらと揺れる弓を、興味深そうに眺める姿が印象的でした。

そして楽器について知識を深めたところで、その弦楽器とフルートでの四重奏が始まります。

最初の曲は「アイネ・クライネ・ナハトムジーク」。

目の前で繰り広げられるパフォーマンスを食い入るように見つめる子どもたち。

たくさんのことを吸収しようとする姿勢を感じます。

だれもが知るあの有名なベートーヴェンの「運命」も演奏されました。

“ダダダダーン”と音楽が鳴り始めると、子どもたちの視線が一気にアーティストたちへ。

「この『運命』はね、ベートーヴェンが耳が聞こえなくなり辛く感じるている気持ちを曲で表現したんです。音楽は楽しい気持ちや悲しい気持ち、いろいろな気持ちを表現できるんですよ」

迫力ある演奏はもちろん、チェロのひろゆきさんのベートヴェンと「運命」についての話にも、子どもたちは真剣に聞き入っている様子でした。

音を身体で感じながらダンスに挑戦!

ワークショップでは、子どもたちに身体を動かしてもらいました。

まずは時計の音を表現した曲に合わせて、準備体操。

チックタックというメロディーと一緒に手を右へ左へ。

身体が温まってきたところで、力強い曲の「タランテラ」のメロディーに乗って、さらに大きく身体を動かしてみます。

自分の好きな番号を選んでもらって、その番号がきたらパチン!と手をたたく動きや手を左右、そしてまる〜く円を描くよう動きに挑戦。

最初は戸惑いもあった子どもたちですが、コツを掴めばスムーズに動けるようになっていきます。

そして、チェロのベースラインとフルートのしなやかなメロディに合わせて、8分の6拍子のリズムを身体で感じながら、最後はみんなでひざをパンとたたき、そして手を上に大きく伸ばしてフィニッシュ!

終わったあとは大きな拍手が鳴り響き、子どもたちの笑顔で会場がより一層明るくなりました。

コンサートも終盤となり、「最後の曲になりました」と司会が伝えると、会場からは「え〜」と残念そうな声。

同時に「アンコール!アンコール!」の声が会場に鳴り響きます。

その声援に応えるようにアーティストたちが子どもたちにおなじみの曲を演奏し、コンサート&ワークショップは幕を閉じました。

「子どもたちの心にとっても響く演奏会でした。子どもたちは『楽しかった〜』と話しながらクラスに戻っていきましたよ」と、コンサート終了後、佐藤校長先生が語ってくださいました。

子どもたちのまっすぐなエネルギーを感じた今回のコンサート&ワークショップ。

都立城東特別支援学校の先生方、そして生徒のみなさん、ありがとうございました。

今回訪問したアーティスト

中学部主幹の佐富先生(左から4番目)と佐藤校長先生(右から3番目)と一緒に

フルート:かなこさん(谷田 圭菜好)
ヴァイオリン:はるなさん(須藤 はるな)
ヴィオラ:ゆうきさん(小倉 勇樹)
チェロ:ひろゆきさん(ヨコミゾヒロユキ)
司会:なつきさん(坂本 夏樹)

このコンサートを担当したのは…

髙山 和己(たかやま かずみ) 
2022年にみんこと事務局に加わりました。前職は高校の音楽の先生。
子どもたちが自由に音楽を楽しみ、思うがままの反応ができる「みんなのコンサート」を、たくさんの子どもたちに体験してほしい!
打楽器や作編曲を専門に、自身も音楽活動を行っています。

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