白百合保育園で子ども向けコンサート（東京都江戸川区）

スペシャルプログラムに沸いたコンサート

9月16日（金）は、白百合保育園にうかがいました。

年間を通して「みんなのコンサート」と音楽体験教室「おとあそび」を6回開催している白百合保育園。音楽を園で聴くことが、子どもたちの日常になりつつあります。

そんな白百合保育園で開催されたコンサート当日。感染症対策として椅子の間隔を開け、アーティストたちと観客席との距離をしっかりと保ちながらの会場に、園児の皆さんはいつも通り、足早に集まり、演奏が始まるのを今か今かと待ってくれています。

でも今回はいつもと少し違った雰囲気でコンサートがスタート。

普段はアーティストのおねえさん、おにいさんが4人で登場するところ、今日はフルート、ヴィオラ、チェロの3人だけがステージに現れます。

子どもたちは「あれ？」という表情を見せながらも、3人で奏でる軽やかなバッハの「ゴルトベルク変奏曲」の演奏に引き込まれていきます。

そして、2曲目の演奏が始まると、突然、後方扉から今回のスペシャルゲスト、ひろこおねえさんがヴァイオリンを弾きながら登場！

そうなんです、今回はヴァイオリンにスポットライトを当てた、「みんなの教会コンサート」特別プログラム！

たくさんの拍手のなか、園児さんたちのまわりを歩きながら演奏するひろこおねえさんの迫力あるパフォーマンスに、会場は大盛り上がり！力強いヴァイオリンの音色が、子どもたちの心をつかみます。

熱気に包まれた会場で次に演奏されたのは、「ヴィヴァルディ作曲の『四季』より『夏』第3楽章」。細かいリズムと速い弓の動きに、子どもたちはびっくり。あまりの速さに、笑いだす園児さんがそこここに。

そして、弦楽器の弓さばきを堪能したあとは、左手に注目です。

ギャリーのトークを交えながら、おねえさんが弦を押さえる手を細かく動かし奏でる音は、「ビブラート」。はじめて聴く音色に、園児さんたちの表情は真剣そのもの。

続いて、声楽家でもあるギャリーが歌声でもビブラートを披露し、その揺れながら響く、いつもよりさらに大きく、遠くまで届くような歌声にも、子どもたちはしっかりと耳を傾けて聞いてくれました。

ビブラートの響きを生で聞き、肌で感じるのは、園児さんたちにとってはじめての経験。「おもしろーい！」という声があったり、笑いがあったり。またひとつ、音楽の楽しみ方が増えましたよ。

音楽をあらゆる方面から楽しみ尽くす

もちろん、いつもコンサートで子どもたちに投げかける「弓は何からできてるの？」の質問も忘れてはいません。

そう、答えは「馬のしっぽ！」。でも今回は弓に使われるしっぽの量にまで話が広がり、園児さんたちは新しい発見に興味津々な様子。

そのあと、ひろこおねえさんが見せてくれたのは、1つの弓で2つの音を出す弾き方。そして、その珍しい奏法がたっぷり詰まった「チャルダッシュ」も演奏され、重なり合いながら綺麗に響く音色を、子どもたちは楽しみました。

リクエストコーナーでは、運動会の鼓笛隊で演奏される行進曲と、いつもの保育で行っている手遊び歌を特別バージョンでお送りし、みんなで歌い、アーティストと一緒に手遊びをして、となりに座るお友だちと笑い合う、そんな微笑ましい光景が広がりました。

そして、今回のコンサートが秋の始まりの時期に開催されたので、「もみじ」を編曲したひろゆきおにいさんのアレンジ曲「MOMIJI」を演奏。

コンサートの締めくくりには、恒例のラデツキー行進曲で、子どもたちがいろいろな強弱で手拍子を楽しみながら、演奏に参加してくれました。

日々の保育で音やリズムに合わせて体を動かし、音楽を楽しんでいる白百合保育園の子どもたち。

音の機微を感じ取り、アーティストの演奏に合わせて自然と手拍子が会場に広がるなど、春から積み重ねてきた成長が見えたコンサートとなりました。

白百合保育園のみなさま、ありがとうございました。

今回訪問したアーティスト

フルート：かなこおねえさん（谷田 圭菜好）
ヴァイオリン： ひろこおねえさん（渡邊 弘子）
ヴィオラ：ゆうきおにいさん（小倉 勇樹）
チェロ：ひろゆきおにいさん（ヨコミゾヒロユキ）
司会：ギャリー （上尾 和音）