えりおねえさん(香川恵理)/みんことメンバー深掘りインタビュー

みんことアーティストの「ゆうきおにいさん」こと小倉勇樹がインタビュアーとなり、みんことのメンバーにインタビューをする企画の第3回。アーティスト同士だからこそ引き出せる新たな魅力を、皆さんにお伝えしています。


「みんことの元気印」の鮮烈なデビュー

3回目になりました「みんことメンバー深掘り(!?)インタビュー」

新米インタビュアーの私も少しずつ慣れてきました。今後ますますメンバーを深掘りして、「みんこと」の魅力をお伝えしていきたい!と思っています。

3回目の今回は「みんことの元気印」フルートのえりおねえさんこと、香川恵理さんです。

フルートのえりおねえさん
小倉

香川ちゃんのご出身は?

香川

香川県です。ネタですよね、これ(笑)!?

小倉

最初に聞いたときビックリしたよ(笑)。でも凄く良いよね、初対面でもすぐに覚えてもらえると思う。東京に来たのは大学から?

香川

そうです。高校時代習っていた先生が東京の音大の先生を紹介して下さって、それで受験して東京に来ました。

小倉

楽器を始めたきっかけは?

香川

ピアノを3歳からやっていたんです。私、兄が3人いるんですけど女の子は私が初めてで、父は女の子には音楽を習わせたかったみたいで、3歳から無理矢理ピアノ…全然練習しなくて当時は大嫌いでした。

小倉

分かる分かる!僕も子どもの頃は全然練習しなかった!

香川

練習は嫌だったんですけどピアノは続けていたんです。それで中学生になって部活に入るじゃないですか。私、テニス部に入りたかったんですね。でも競争率が高くて…それでせっかくピアノも習っていたしって吹奏楽部も見学に行ったら、サックスがかっこ良すぎてハマってしまって…私は絶対にサックスをやるんだ!って思って吹奏楽部に入ったんですよ。そうしたら今度はサックスの競争率が高くて(泣)、ジャンケンに負けてフルートになりました(笑)

小倉

それは運命だな(爆笑)

香川

そうですよね!今となっては本当にその時フルートになって良かったと思います。サックスだったら人生は全く変わっていた。

小倉

それでフルートを吹いてみて…

香川

私、最初から奇跡的に音が出ちゃったんですよね。そしたらフルートもいいかな〜って思い始めて。

小倉

それ凄いね!「みんこと」の楽器体験でも子どもたちはなかなか音が出せなかったりして、大変!というイメージがあるんだけど…

(音を出すためのリードがないフルートは木管楽器の中でも特に音を出すのが難しいと言われています。その理由は、音を鳴らすためのリードや、息を吹き込むだけで音を発してくれるリコーダーのような構造になっていないからです。ちなみに同じフルートのかなこおねえさんも最初音を出すのが大変だったと言っていました。)

香川

だからその音が出せない苦しみを知らないので、最初の楽器体験のときに「こんなに音って出ないものなの?」って思って…楽器の角度を変えたり息の方向を変えてもらったり、色々やってもらってみたらやっと音が出て、「あ~良かったな!」って。

その後、自分で調べたり洋子さん(フルートのようこおねえさん)に相談したり…。洋子さんは「ロウソクの火を消すように」って子どもたちに言っていて、それが凄く良いなと思って参考にさせてもらいました。

楽器を始めたときの話を聞くと、一人ひとりにドラマがあって、人生って不思議だな、って思います。

小倉

香川ちゃんが「みんこと」を知ったきっかけって?

香川

Facebookです。ヴァイオリンの友達がシェアしていたので、それを見て「みんこと」のHPにいってみて、面白そうな活動!と思ったんです。ちょうどオーディションがある、って載っていたので、受けてみようと。

私、一番上の兄とは17歳年が離れていて、その兄の子どもが生まれたのは、私が10歳の時なんですよ。10歳で甥っ子ができたんです。私は末っ子で下がいないので、弟ができたような感じで。兄は仕事が忙しかったので実家に子どもを預けていたんですね。すると私も面倒を見るじゃないですか、「もう、めっちゃ可愛いな!」と。そういうのもあってか子どもが大好きなので、子ども向けにクラシック音楽をやっているっていうのが「面白そう!」と。クラシックって、大人向けにやるイメージだったので…。

小倉

なるほど、それでオーディションを受けたんだね。

香川

そうですね。会場に入ったら悠子さん(代表の渡邊悠子)とみぞさん(アートマネージャーのヨコミゾヒロユキ)がとてもにこやかに出迎えてくれて。私、最初、悠子さんとみぞさんが結婚していると思ったんですよ、「夫婦でやっている団体なのかな?」と(笑)。それくらいアットホームな雰囲気で…普通オーディションてとてもピリピリしているじゃないですか。でも「みんこと」のオーディションは雰囲気がすごく良くて「いい団体なんだなぁ、絶対に受かりたい!」って思いました。

そして、見事にオーディションに受かった「えりおねえさん」のデビューは、2015年の東北ツアー。そこで「みんこと」で未来永劫語り継がれるであろう、とある事件が起こります。

小倉

香川ちゃんの「みんこと」デビューは東北ツアーだね。

香川

はい、東京で研修を受けてツアーに参加させてもらいました。デビューはめちゃくちゃ緊張しました。自分が「みんこと」のコンサートを初めて生で聴いた時の印象がとても強くて、それって今までに自分が味わったことのない、子どもたちが本当に楽しそうにしていたコンサートだったから、それを作っているメンバーは「凄いな」と。

正直、私のこの印象って、初めてうかがう園の方々が持ってくださる印象と同じだと思うんです。そんなコンサートを作るメンバーの一員になった、ってことで本当に緊張しました。特に子どもたちって、本当に小さなことでも気づくし、目が行くし、こちらの仕草一つにも色々な感情を持つと思うんですね、だからとにかくまずは笑顔でいようと思ったけど、やっぱりとても緊張しました。

小倉

一緒に弾いていて全然そんな感じしなかったけどね。とても堂々としていたし、ずっと「みんこと」で一緒に演奏してきたような感じだったよ。

香川

嬉しいです!でもそれでコンサートが終わってすっかり気が抜けて…

小倉

楽器を園に忘れる!!!

香川

楽器を園に忘れる!!!

小倉

「みんこと」史上、確実にトップ3に入る大事件(笑)。

香川

もう本当に自分でもビックリで(苦笑)、忘れた日に気づけばよかったのに無事にデビューできてホッとしてその日は寝ちゃって、翌朝リュックが軽くて「え?まさか…楽器忘れた…?!」って。

※プロの演奏家にとって楽器は自分の体の一部といっても過言ではありません。それを忘れてしまったのですから一大事!幸い楽器はその園に保管していただいてあり、無事戻りました!

小倉

本当に思い出深いツアーだったよね。最近ようやく「みんこと」もコンサートを皆様にお届けできるようになってきたところで、香川ちゃんのこれからへの想いを聞かせて欲しいな。

香川

2年前に注文した楽器が、今年やっと出来上がったんですよ。フルートって一本一本ハンドメイドで作っているので、時間がかかるんですね。やっと出来上がって手元にきたのが今年の2月。でもコロナでコンサートが次々キャンセルで、ほとんど使えずじまいでした。先日、再開後初めてそのフルートで「みんこと」のコンサートに出て、とても楽しくて「この場所に帰ってきた~!」って嬉しかったです。

感染症対策で同じプログラムを3回に分けてやったけど、各回みんな子どもたちの反応は違うんです。もしみんな一緒に聴いてもらえたら、もっと違う感じ方をしてくれていたのかな、と思います。それでも一回一回、まだ短い時間で少ない曲数ですが、その中でどれだけのことを伝えられるか…新しいフルートでアーティストの皆さんと一緒に頑張っていきたいです。

「みんこと」のコンサートを聴いて感銘を受けて、自分もこんなふうに演奏したい!と思ってくれたことは「みんこと」にとって1番の褒め言葉です。嬉しいな!いつも明るく元気いっぱいの「えりおねえさん」。子どもたちの前だけでなく、控室でも笑いを振りまき、僕たちみんなにもパワーを与えてくれます。これからも一緒に「本物の体験」を届けられるように頑張ろう~!

香川ちゃん、どうもありがとうございました。

(文・構成:小倉勇樹)


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