コンサートで子どもが答えを出してくれた|【第1回】先生インタビュー 言問幼稚園①(東京都墨田区)

長年にわたり、みんなのことばをご利用いただいている幼稚園や保育園、
学校の先生方にお話をうかがう「先生インタビューシリーズ」。
第1回は、言問幼稚園(東京都墨田区)の小林昭寛園長先生と小林麻衣子副園長先生をお訪ねしました。

言問幼稚園では毎年、参加型クラシック「みんなのコンサート」の開催のほか、正課プログラムとして、年長さんには「おんがくかい」を、年中さんには「音楽体験教室 おとあそび」を通年で導入されています。

今回は、「みんこと」との出会いからその交流で変化していること、今後の「みんこと」への期待、そして言問幼稚園の教育理念、コロナ禍の3年間の挑戦などについて、3回にわたってお届けします。

みんこととの出会い

みんこととの出会いについてお話しいただけますか?

園長先生

きっかけは、コロナの緊急事態宣言が出たことでした。
幼稚園教育がいままでのように物理的にできなくなったときに、「私たちには何ができるだろうか」、「何をしなければいけないだろうか」と改めて考えていくことになりました。
そのときに、実は、コロナ前から感じていたことなのですが、幼稚園を何十年もやってきて、それなりのメソッドや積み重ねがありましたが、同時にそれは決まりごとが多くなりすぎていることになっていて、このままでは子どもたちも先生方も窮屈になっていくのではないか、そんなことをじっくり考える時間ができました。
それで、この際だからなにか違うことをやってみようと思い、たまたま目にしたのが「みんなのことば」の音楽カリキュラムでした。

緊急事態宣言は多くの人にとっても、衝撃的だったかと思います。そんな中嬉しいことに、たまたま目に留めてくださったのですね。

園長先生

もともと私も副園長も学生時代に吹奏楽部だったので、園児に音楽の楽しさをどう伝えて、どのように音楽と接してほしいかを考えていたのですが、その具体的な方法がなかなか思いつかず、単発的にオリジナルの音楽教育の時間を取り入れてみたものの、うまく軌道に乗せられていませんでした。
そんなときに副園長が「『みんなのことば』というNPOがあるよ」と言ってくれて。

副園長先生

じつはみんことのパンフレットはずいぶん前にいただいていたのですが、そのときは正直そのままになっていました。ある時に、ベテランで長く働いてくれている先生から、「言問は保育のバランスは結構良いと思うけれど、音楽が充実するともっと楽しいかもしれない」と言われて、それがずっと心に残っていたのです。マーチングを指導している幼稚園は結構ありますが、教え込むという方法は園長も私もあまりピンとこなくて、「そういうことをしたいんじゃないんだなあ」とも思っていました。

2023年3月、インタビューにお答えくださった園長先生(右)、副園長先生(左)。
副園長先生

そんなときに、コロナが一撃となり、親子の体験がどんどん少なくなっていって、それこそ大人も外に出て行けなくなるし、私たち自身も先生方も気持ちが窮屈になるしで。そこでたまたまパンフレットを思い出してよく読んでみたら、そこに書いてある理念がちょうどそのときの私たちの思いにピッタリで、「ちょっとお話を聞いてみようか」ということになりました。そして実際にコンサートに来ていただいたら子どもたちはもちろん、先生方も私たちも癒されました。なにより、喜んでいる子どもたちの姿を見て、先生方が喜んでいる…それが嬉しくて。「じゃあ、ぜひ、続けてみんことさんに来てもらおう」となって、みんことさんとの関わりがはじまりました。

▼最初にご依頼いただいたコンサートはこちら

「子どもが答えを出す」に導かれ

日々お忙しい中でのコンサートの開催。先生方の反応はいかがだったのでしょうか。

園長先生

幼稚園を運営する側と、実際に子どもたちに関わる先生とは、いつでも一緒に「いいね!」となるわけではなく、もちろん意見がかみ合わないこともあるんです。そんなときにどこに立ち戻ればいいかは「子どもが答えを出すよ」ということを、私の母がよく言っていました。
運営する側のこうあってほしいという気持ち、そして先生方の現場はどうなるか不安な気持ちがあって、そんな時は「子どもが答えを出す」「子どもが出した答えを見る」ということです。

園長先生

だから、カリキュラムや行事に追われている日々の保育に加えて音楽という新しいことを導入しようとしたとき、先生たちの最初の反応は「えっ?」というものでした。
ですが、実際にみんなのことばさんにコンサートを開催していただいたときの子どもの反応を見て、先生方の気持ちが変わったんです。子どもが答えを出してくれたんですね。

副園長先生

そうなんです。コンサートを開くようになってからも、コロナ禍ではコンサートなどの対象学年が年中さんと年長さんの2学年だったのが、先生方から「年少さんもコンサートを聞かせてもらえないですか?」とか、行事がたくさんある年長さんの先生方からも、年間3回の予定だったおんがくかいのカリキュラムを「もう1回増やせませんか?」とリクエストがあったりしましたね。

園長先生、副園長先生、ありがとうございました。コロナをきっかけに、お子さんたちに音楽の楽しさをどう伝えて、どのように音楽と接するかを考えられていた中で、みんことが少しでもお力になれたのであれば、嬉しい限りです。

言問幼稚園さんでは現在「みんなのコンサート」のほか、正課プログラムとして、年長さんには「おんがくかい」を、年中さんには「音楽体験教室 おとあそび」を通年で導入されています。

今回のインタビューを最後までお読みくださった皆さま、ありがとうございました。

次回は「みんことの音楽プログラム導入後のお子さんたちの反応」、「保護者の方々のお声」などをお伝えします。
お楽しみに!

言問幼稚園のホームページ
言問幼稚園の過去のコンサート・プログラム実施レポート

みんなのことばは、プロの音楽家とともに、参加型クラシックプログラムを通して子どもの心を育てる活動をするNPO法人です。

あなたのご寄付・ご支援によって、もっと多くの子どもに音楽が届きます

お問い合わせは

NPO法人みんなのことば
電話:03-3770-4266(平日10:00~18:00)

アイコンクリックしていただくと共有できます